適切な意思決定支援に関する指針

令和4年1月10日


適切な意思決定支援に関する指針を下記の通り定めます。


患者さんは療養・生活を送るにあたり、様々な場面で意思決定を行います。
当院は、患者さんご本人やご家族へ適切な説明と話し合いを行い、患者さんご本人の意思を尊重した選択・決定を支援し、医療・ケアに努めます。




      人生の最終段階における医療・ケアについて

        医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて医療・ケアを受ける本人が多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームと十分な話し合いを行い、本人による意思決定を基本とした上で、人生の最終段階における医療・ケアを進めることに努めます。

また、本人の意思は変化しうるものであることを踏まえ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えられるような支援を医療・ケアチームにより行い、本人との話し合いが繰返し行われるように致します。

さらに、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性もあることから、家族等の信頼できる方も含めて、本人との話し合いが繰返し行われることが大切であり。この話し合いに先立ち、本人は特定の家族等を自らの意思を推定する者として前もって定めておくことも重要です。

        人生の最終段階における医療・ケアについて、医療・ケア行為の開始・不開始、医療・ケア内容の変更、医療・ケア行為の中止等は、医療・ケアチームによって、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断致します。

        医療・ケアチームにより、可能な限り疼痛やその他の不快な症状を十分に緩和し、本人・家族等の精神的・社会的な援助も含めた総合的な医療・ケアの提供を行います。

      人生の最終段階における医療・ケアの方針の決定手続について

人生の最終段階における医療・ケアの方針決定は次のように行います。

(1)    本人の意思の確認ができる場合

        方針の決定は、本人の状態に応じた専門的な医学的検討を経て、医師等の医療従事者から適切な情報提供と説明を致します。

その上で、本人と医療・ケアチームとの合意形成に向けた十分な話し合いを踏まえた本人による意思決定を基本とし、多専門職種から構成される医療・ケアチームとして方針の決定を行います。

        時間の経過、心身状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、本人の意思は変化しうるものですから、医療・ケアチームにより適切な情報の提供と説明がなされ、本人が自らの意思をその都度示し、伝えることができるような支援を行います。

この際、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性もあることから、家族等も含めて話し合いが繰り返し行われることも必要です。

       このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめておくものとします。

(2)    本人の意思の確認ができない場合

本人の意思確認ができない場合は、次のような手順により、医療・ケアチームの中で慎重な判断を行います。

        家族等が本人の意思を推定できる場合は、その推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針をとることを基本と致します。

        家族等が本人の意思を推定できない場合は、本人にとって何が最善であるかについて、本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の方針をとることを基本と致します。

時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、このプロセスを繰り返し行います。

        家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合は、本人にとっての最善の方針をとることを基本と致します。

       このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめておくものとします。

(3)    複数の専門家からなる話し合いの場の設置について

上記(1)及び(2)の場合において、方針の決定に際し、

l  医療・ケアチームの中で心身の状態等により医療・ケアの内容の決定が困難な場合

l  本人と医療・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアの内容についての合意が得られない場合

l  家族等の中で意見がまとまらない場合や、医療・ケアチームとの話し合いの中で、妥当で適切な医療・ケアの内容についての合意が得られない場合

等については、複数の専門家からなる話し合いの場を別途設置し、医療・ケアチーム以外の者を加えて、方針等についての検討及び助言を行います。

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